獣医再生医療研究会 第7回研究会終了のごあいさつ
生体の意図をくみ取る

再生医療、それは薬でもなく 、手術でもなく、患者自身の細胞を用いる治療。
患者自身の自己治癒能力を引き出し、増幅する治療法である。 これにより、従来治せなかった病気が治るようになってきている。

獣医再生医療の幕開け

私はふと、ひと昔前、再生医療という概念がなかった頃のことを想うことがある。 今にして思えば、「その時代には、どうやってこの病気を治していたんだろう?・・・」 と考え込んでしまう。

それほどに今が進歩したとも言えるし、もう再生医療の無かった時代には 戻れないと感じる。 その頃には「治せない」「治らなくて当然」と思われていたのであろう。 かつての治療法の中には、ときおり「力ずくの治療法」がまかり通っていた。 決して生体の最も求める治療法ではなかったのではないかと疑ってしまう。

忘れてならないことは、「生体は治ろうとする自己治癒能力を持っている」ということである。 その生体の意図をくみ取り、自己治癒能力を温存し発揮させるのが、生体にとって最も望ましい。 もしも外傷から時間が経ってしまったり、大きな侵襲を加えてしまったりして自己治癒能力が減衰したときには、 それを増強する手段(再生医療)がある。仮に大きな侵襲を加えても、生体はそれを乗り越えて 治癒させるかもしれないが、生体の意図に沿って治癒を助ければ、 もっと速くもっと強くもっと綺麗に治るのである。

つまり、生体の自己治癒能力を温存し発揮させる治療法が第1に優先されるべきであろう。 自己治癒能力を増強しようとする再生医療は第2の手段である。生体の損傷が大きいほど、 損傷から時間が経過しているほど、生体に自己治癒能力が乏しいほど、治癒が遅く弱くなるために、 こういった再生医療的な考え方が必要となる。

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